簾は我々日本人にとって馴染み深く、古くは宮中などで使用されていたことから数々の歌に詠まれてきました。
君待つと わが恋ひをれば わが屋戸の すだれ動かし 秋の風吹く 訳)あの方をお待ちして 恋しい気持ちでいると 我が家の簾を動かして 秋の風が吹いています。(額田王/万葉集)
簾には暗い室内から明るい外を見るとよく見え、逆に明るい所から暗い室内は見えにくいという特性があります。「源氏物語絵巻」には、貴族の男女が簾越しに異性を観察している様子などが描かれています。